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  • 卒業生インタビューNo.4 小学校教員5年目

K.A.さん(千葉県内公立小学校勤務)

K.A.さん(15D)2019年3月卒業
(聞き手)西坂小百合(児童学科教員)
※このインタビューは2023年7月に行いました

大学で幼児教育を学んだことや大学の先生との対話が小学校教員としての私を形作っています。

大学卒業後1年間の臨時任用講師を経て小学校の先生に。5年目となる今、これまでを振り返って、小学校教員の魅力や先生の感じていることをお話ししていただきました。

どうして小学校の先生になりたいと思ったのですか?

もともと小さいころから小学校の先生になりたいと思っていましたが、特に小学校4年生のときの担任の先生がとても良い先生で、小学校の先生になるという夢を持ちました。おそらく、小学校の先生になりたい人って、小学校のときの先生に憧れてなりたいという人が多いのではないでしょうか。

確かに、小学校の先生との出会いで小学校の先生を目指す人が多い気がしますね

そうなんです。憧れの先生に出会って先生になる人が多いのであれば、みんなが良い先生に出会ったらいいと思うんです。そんな先生になりたいと思って頑張ってきていたのですが、最近になって「先生のような先生になりたい」といってくれる子が数人いたんです。

それはうれしいですね。

はい。いつだったか国会議事堂への社会科見学でバスで高速道路を走っているときに、車窓から見える大学(共立女子大学)を母校だと紹介したら、その子たちが興味を示してくれて、とてもうれしかったです。

小学校の先生になってよかったことってありますか?

やりがいがあるし、楽しいです。

「楽しい」の中身を詳しく教えてもらえますか?

学級経営でやってみたいことを挑戦できることでしょうか。若手でも誰でも、自分でやってみたいことに挑戦できるのが小学校の先生の良いところだと思います。実践してみてすぐに成果が表れるときには大きな喜びがあります。もちろんうまくいかないこともありますし、大きな責任も伴います。良いと思ってやってみても、目の前の子どもたちに合わないこともあり、考え甲斐があります。

子どものことを考えて、新しいことに挑戦する喜びがあるのですね

はい。挑戦できるからこそ日々考え続け、そのために目の前の子どもたちのことを理解しようとしています。例えばやってみたい行事を提案したときに周りの先生が「やってみて」と言ってくださるのがありがたいです。

何か挑戦した行事があるのですか?

6年生の担任をしていた時に、コロナ禍で宿泊行事が縮小されて子どもたちが残念な思いをしていたのですが、ナイトスクールを企画して、夜まで学校で過ごす行事をしました。子どもたちに経験してほしいことを考えて実施するのは、本当に楽しかったです。

小学校の先生をしていてたいへんなことはありますか

実は、あまりたいへんだと思ったことがないんです。朝起きるのがつらいとかはもちろんありますけど…。

先ほど言ったことと重なりますが、挑戦できるからこその失敗したときの責任の重さというのは、いつも感じます。適度なプレッシャーでしょうか。プレッシャーという点でいえば、常にお手本でいなければならない、正しい行動や発言をしなければならない、常にみられている意識はあります

たいへんそうな側面をあえて意識的に前向きに捉えているのですね。きっとつらいことはいろいろあるけれども、それを乗り越えられるだけのやりがいや喜びがあるのでしょうね。 あえて、最もつらかったことってありますか

う~ん、先生になってからたいへんだと思ったことがないのは、もしかしたら大学生の時の教育実習がつらかったからかもしれません。実習生ということもあって、クラスの様子や特徴がつかみきれず、子どもたちと関係を構築することが難しかったです。うまくできなかった実習を引きずったせいか、大学4年生の時に受験した教員採用試験は失敗しました。でも、小学校の先生になるのは子どものころからの夢だったので、卒業後は臨時任用講師で小学校の教員になり、働きながら受験勉強をしました。

実習ではたいへんだったこともあったわけですが、それでも小学校の先生として勤め始めて、不安はなかったですか

はい、担任を持つ楽しさと教育実習は全く違います。担任だからこそ自分を出して、やりたいことに挑戦できます。だからこそ、教育実習でうまくいかなかなくても諦めてほしくないと思います。

担任をしながらの受験勉強、たいへんだったのではないですか?

講師は新卒でも初任扱いではないので、よくわからないこともありました。しかし、小学校(現在の勤務校)がとてもよく、周りの先生に支えてもらえました。おかげで、平日は教師の仕事、土日は受験勉強をして、合格をつかみ取ることができました。

 

小学校の先生をしていて大切にしていることはありますか?

子どもとの信頼関係を構築すること、そのために子どもが考えていることを読み取り、子どもに寄り添いたいと思っています。

子どもの理解と信頼関係の構築といえば、幼児教育・保育においても大切にされていることですね。

はい、児童学科では幼児教育・保育についても学びました。そこでは、まずは信頼関係を構築することが大事だということをどの授業でも聞いていて。常に子どもを見守り、共感的に寄り添い、理解をして、子どもの思いを受けとめる、そして子どもたちがどう考えているかを読み取る、といったことを大学で培ってきたと実感しています。

それはうれしいお話しですね。幼児と小学生、特に高学年など関わり方が違いますか。

高学年は大人でもあるので、子どもに考えさせることも必要なのですが、子どもは大人が受けとめてくれることで、大人が伝えたいことを受け入れる姿勢につながると思っています。子どもを理解しようと思って、子どもが何を考えているのかをずっと考えています。

大学での学びをしっかりと自分のモノにしていて素敵ですね。

そうそう、先生はそうやってすぐに褒めてくださるじゃないですか。私たち大学の先生方に褒められてきたので、私もすぐに子どもを褒めます。子どもが先生に受け止められていることが実感できると思います。

大学の先生の話が出ましたが、大学のときのことで印象に残っていることはありますか。

私は大学の先生と話をするのが面白かったです。先生が講義の合間に話す余談や、授業外で聞く話はとても面白く、雑談をすることで先生方の多様性を感じることができます。それぞれの専門性を追求していらっしゃるし、いろいろな生き方をされているので、多様な人生を知ることができて楽しかったです。

そう言ってもらえると嬉しいですね。

はい。教育学部に行くことも考えましたが、共立の児童学科でよかったと思っています。先生方は保育・教育に携わっている先生ばかりなので、私たちに寄り添い、理解してくださっていたと思います。

ありがとうございます。最後にこれからの展望などあれば教えてもらえますか。

特に何か計画があるわけではありませんが、ずっと教育に携わっていたいと思っています。

私がこれまでいろいろな先生と出会ったのと同じように、良い先生との出会いは人生を変えたり、良い先生とめぐりあえて自分の糧になったりします。子どものモデルになったり、憧れの対象となるような先生でありたいです。それで先生になりたい子どもが増えることを願っています。

この日は国語の授業を見学させてもらいました。現在は教科担任制で、国語と家庭科を担当されているとのことでした。