幼稚園教育実習を経験して一回り成長
共立女子大学の幼稚園教育実習は、2年生の後期(秋)と3年生の前期(春)の2回に分けて、それぞれ2週間行っています。最初の実習では、幼稚園での子どもたちの生活や遊びの様子、先生方のかかわり方について観察を通して学びます。この実習で課題になったことを意識して、再び大学の授業で学びを深め、2回目の実習に臨みます。2回目は、担任の先生に代わって学生自身が1日または半日の活動を計画・実践する責任実習があります。
今回は、2回の幼稚園教育実習を終えた守屋さんに、学びや自身の成長について、お話を聞きました。聞き手は、児童学科教員の河原です。
今回お話を伺った人
児童学科3年生。幼保履修モデル選択。
将来は幼稚園教諭志望。
<TALK
1回目の実習はどうでしたか?
1回目は実習自体が初めてだったので、すごく緊張していました。実習日誌を書くために、先生の動きも見て、子どもの動きも見て、そして学んだことも自分なりに考えなければっというので毎日精一杯でした。
例えば、登園してきたときの身支度にしても、どこまで手伝っていいのかわからず、子どもたち一人ひとりの状況を捉えてかかわることが難しくて…
絵本の読み聞かせを一度だけ行ったのですが、本当に緊張しすぎて読んだ記憶がないくらいでした。
2回目の実習ではどのような変化がありましたか?
1回目の実習で子どもたちと少しかかわっていたこともあって、それぞれの特徴を少しは理解してかかわることできた気がします。身支度では“手伝う”のではなくて、子どもが気づけるような言葉かけでも大丈夫、ということがわかりました。
絵本の読み聞かせは、2回目の実習でも緊張はしたんですけど、読み聞かせが楽しくて子どもたちにどう伝えられるかなって考えられるぐらい落ち着いて読むことができました。そんなふうにできたのは、やっぱり、1回目の実習を経験したからだと思います。
読み聞かせの機会も複数回あったので、担当の先生にいただいアドバイスや反省点を次に読むときに活かすこともできました。
責任実習はどうでしたか?
いろいろ大変でした。
画用紙で傘を製作する活動を行ったのですが、それが子どもたちには少し難しくて…できている子もいたけど、わからない子もいて。
途中で「のりどうやってつけるのー」と言う子がいたり、「わからないー」って泣き出してしまう子もいて、どうしよう?って思ってたところで、担当の先生が助けて下さって…
泣いている子に「守屋先生にどこがわからないか聞いてみよう」と話してくださって、子どもも「ここがわからない」って言ってくれて、それで少し落ち着いて、「ここはこうやるよ」と説明して、何とか全員作ることができました。
幼稚園の先生と子どもとのかかわりについて学んだことは?
子どもに対する先生方のかかわりでは、学ぶことがとても多かったです。製作活動で、この子には少し難しいかもしれないとか、一人ひとりの子どもの状況を踏まえつつ、クラス全体の活動も進めていて、すごいなと思いました。
また、子どもが口では「いいよ」と言っていても、本当にそう思っているのか、優しく気持ちを汲み取るようなかかわりをされていたり、一人の子どもの言ったことやしたことについて、他の子どもたちの気持ちを聞いたり、感じたことを引き出したり、本当にたくさんの発見・学びがありました。
子どもとのかかわりでうれしかったことは?
2回目の実習で初日に行った時に、この人誰?ていう感じの子が多かった中で、「あれ?なんか見たことある」みたいなことを言ってくれた子がいて。
私はいつも同じ名札をつけているのですが、そこにクレヨンがあって(写真)、2回目の実習に行ったとき、子どもたちの中に「クレヨン先生だ」みたいに言って私のことを覚えてくれている子がいたり、「クレヨン持ってる」って言ってくれたり、名札を通して会話が生まれたっていうのが本当に嬉しかったです。
実習の準備はどんなことをしましたか?
絵本の読み聞かせは、家で母に聞いてもらって感想を聞いたり、直した方がいいところがあれば教えてもらったりしました。
ピアノが苦手なので、事前のオリエンテーションの際にピアノを弾く場面があるか確認して準備はしておきました。実際は弾かなかったのですが…
実習期間中に児童学科の教員が幼稚園を訪問しますが、それについてどんなふうに感じていましたか?
巡回の時、先生は実習のことで困ったことない?と聞いてくださったり、子どもたちがかわいくてとか毎日楽しくてという私の話を聞いてくださったり、身近な話題で落ち着けるようにしてくださったりしました。やっぱり、知っている先生の顔を見て、ほっと安心できる時間でした。
実習が終わった後に行う個別の面談では、実習の評価だけでなく、将来の進路にも繋げて話してくださって、幼稚園の先生を目指すなら時間があるときにお手伝いに行ってみたらなどのアドバイスも下さいました。
幼稚園に実際に行ってみて、自分の目で見て、体験することで楽しめたかなっていうのがあります。大変なこともあるけど、本当に楽しかったです。
後輩やこれから児童学科を目指す高校生にもそんな楽しさを体験してもらえるといいですね。
インタビューから、2回の幼稚園実習を経験して一回り成長した守屋さんの姿が感じられました。