【小林研究室 卒業研究】

 小林研究室では夏休みの時間を利用して、玉川学園の見学会を実施しました。玉川学園は、昭和期に“新教育”と呼ばれる子ども中心の実践を行ったことでよく知られています。新教育は現在のアクティブラーニングの源流とも言える教育実践です。
 玉川学園の歴史と思想については、授業で繰り返し学んできましたが、現在のキャンパスを実際に見学することで、小学校の実践と学習環境との関係を、過去と現在を比較しながら理解を深めることができました。

 当日はまず、小学部の校長先生に校舎をご案内いただきながら、現在の授業の様子などをうかがいました。大正時代の新教育は自然環境の中での学びを重視したため、多摩の広大な丘陵を切り開き小学校を開設しましたが、植物や動物、地形などの自然環境を活かした実践が今でも行われていることを知りました。教育環境や教育方法は時代の変遷にともなって変化しますが、100年もの長きにわたり継承されていく面もあることを学生たちは学んだようです。

 午後には、キャンパス内にある教育博物館や、創設者小原國芳に関する展示がある小原記念館などの施設を見学させていただきました。自然に囲まれた環境の中に、キリスト教精神を表現する教会や、松下村塾や咸宜園といった幕末の私塾を模造した建築などもあり、教育思想と教育環境の関係性を体験的に学ぶことができました。

 当日はゼミの4年生だけでなく、玉川大学教職大学院に進学した卒ゼミ生も同行し、交流を深める意味でもとても有意義な時間となりました。