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  • 「生徒・進路指導の理論と方法」の授業を終えて

全14回の授業後、6名に生徒指導について語ってもらいました。

佐藤さん、五十嵐さん、筒井さん、上代さん、高橋さん、生野さん
よろしくお願いします。

<TALK

司会:これまでの学校生活で生徒指導のイメージは?

Aさん:小学校の生徒指導と言えば、夏休み前に全校集会があって、そこで先生が話すという感じかな。怒られるっていうか、注意するというというイメージです。ちょっとうるさい先生が、「何時までに帰りなさい。スマホは8時までです。危険な所に行くな」ということを言っていたような記憶がある、小学校はね。

Dさん:中高になると責任みたいなものを感じちゃって、だけど、小学校までは失敗しても、まだ見込みがあるから、なんか見込みがあるから、なんか人格形成じゃないけど、中高は自分の行動に責任を持ってくださいってことで、反省文を書かされたり、課題みたいなものを出されたりみたいな感じだったけど、小学校は制服をなおすじゃないけど、正しいことを教えることの方がメインだった気がする。

全 員:確かに~。)

Cさん:そもそも生徒指導っていう名称に違和感がある。小学校は児童だから、あんまりピントこないというか、かみ合ってない感じがする。

(うんうん)

Dさん:先生が、いち大人として、ただ私たちに教えてるぐらいのイメージしかなかった。

(そうだよね、そうそう)

Aさん:生徒指導の先生って、担任の先生じゃなく、教頭先生に近いイメージがある。だから距離感が違うの、私たちと担任の先生との距離感とは違いすぎたね。この先生が出てきたらヤバイかもって感じていたなあ。

司会:授業を受けての生徒指導のイメージは?

Cさん:具体的に変わった・変わらないってまだ整理できていないけど、ピンポイントに、悪いことをした人に何か指導するってことだけじゃなくて、みんなに、クラス全体にも指導することもあるだと改めて感じた。

Eさん:私は、一人一人をみるというか、それだけではなく、厳しいものというイメージじゃない。

Bさん:学校の中だけで完結するだけが生徒指導ってイメージだったけど、学校外で起こったことも、家庭で起こったことも学校生活にも影響して、それを指導していくのも生徒指導なんだなあって、全体的なイメージが付くようになった。

Dさん:裏を返せばさ、どこまで子どものプライバシーに先生が入っていいのかも、わからなくなってきた。デリケートな部分のところまで、先生が入ることになるから、習い事の事例もそうだったけど、学校の中だけ完結する、しないからこそ、どこまで入っていいのか、線引きは難しいなと思った。

Bさん:なんか考える幅が大きくなったからこそ、どこまでやったらいいのかというのがわからないっていうか……。

Dさん:逆に複雑になった。授業受ける前のイメージが単純だったので、考えることが多くなった気がする。

全員:う~ん、うんうんうん。確かに、確かに)

*最後の授業後の座談会だったので、自分の中で整理できていない部分があったかもしれません。しかし、授業前後で生徒指導のイメージ等が変容しているのであれば良かったと思います。喜ばしいことは、線引きの難しさや複雑、考えることが多いなど、単純ではないことに気付くことができたことです。問題行動に対する指導だけではなく、全体への指導など、単純で、容易なことではなく、その場その場で考え判断していくことも難しさを感じる、考えるきっかけになってくれればと思います。

司会:担任の先生になったときに、大切にしたいことは?

Cさん:一人一人の状況が違うから、それを理解して、それぞれにあった指導をしようという授業があった。だから、一人一人にあった支援、援助が大切かな。

Dさん:私は高校の時の先生がすごく好きだったんだけど。ちょっとしたしぐさや会話から垣間見れるその子の思いを感じ、見てくれるような先生だったから、その先生には心を開いてなんでも話せた。だから、私も子どもに信頼してもらえるように、まずは、子どもとの関係を第一に考えたい。信用できない先生の指導は、その子の心に響かないと思うから、その子に先生と認められるような大人になりたい、教壇に立ちたい。

Fさん:私は、何があってもその子に寄り添えるような先生になりたい。寄り添うことを大切にしたいなって思っている。私は弟がいるんだけど、何か問題が起きると、絶対その子だという感じで見られていることがあった。弟は、先生との関係も崩れてしまった。だから、私は、何があっても、まずはその子の言葉を受け止めたい。そして、その子のことを信じて、寄り添ってあげることができたらと思う。そこを大事にしたい。

Aさん:私は、なんにでも感情移入してしまうの。だから、いじめが起きたら、何も考えず突っ走ってしまう。「かわいそう、これは私が助けてあげないといけない」ってなるような気がする。だけど、授業を受けて、まずは、一人一人の子どもをしっかり見る(観察する)ことが大切だと思った。やっぱり何も知らないまま、さっきみたいな話を聞いたら、感情移入して突っ走ってしまいそうなので、子どものことを知って、話を聞いて、整理していきたい。自分自身で、一度振り返って考えたい。だから、子ども一人一人の個性を把握して、それと合わせて自分で振り返って考えることを大事にしたい。

Cさん:けんかでも、どちら側からも意見や思いがあるからね。加害者や被害者側の想いもあるし、傍観者っていうのも習ったけど、見ていた人からも話を聞かないと、いろいろな見え方があるかもしれないからね。

Aさん:客観的にみるっていうことが、大事だよね。

Fさん:やっぱり、話を聞くこと。いろんな人に話を聞いて、情報を得て、整理するってことが大事なんだなと思った。

Cさん:この人悪いんだなと思っても、ただ攻めるのではなく、何がいけなかったのかといったことや、一緒に考えることを先生がしてほしいな。

司会:集団という視点では、個を育てるだけではなく、集団を育てるということで考えていることは?

Eさん:個の問題を学級全体に指導することによって、問題に深く関わっていない人でも、一緒になって考えることができる。個別指導だけではなくて、集団に対して指導することも大事だと思う。

Aさん:クラス、みんながいいクラスっていうのは、たぶん、みんなが仲良くて明るいクラスって言うのがある。でも、その中で明るくて、仲が良いのがいいクラスではなくて、裏ではいじめがあったり、カーストがあったりするかもしれない。だから、楽しんでいる人は楽しんでいるかもしれないけど、クラスにはいろんな子がいるじゃん。だから、……うまく言えないなあ。

Dさん:補い合うみたいなこと? この子にはできないけど、自分にはできるみたいなものを共有したら、その子の成長につながるし、その子の成長によって集団の成長にもつながっていくので、相乗効果みたいなものが期待できるのかなって思う。

Cさん:それぞれ得意不得意はあるけど、それが集団で集まったら補い合うってこともあるし、他の人の長所を見て学ぶってところもあるから、自分に足りないところの成長にもつながる。

Fさん:一人の子が問題を起こすではないけど、何かあったら、それをクラス全体の問題として捉えて、全体への指導があるのね。(中略)先生はみんなに言うことで、みんながよくなっていくと思っていたかもしれないけど、逆に、また始まったよって感じで、指導されている意識がなかったから、他人事。全てを集団に向かって指導しなくてもいいんじゃないかな。

Bさん:それは本当にそう思う。今は、授業を受けたから、それって、理想の集団をつくりたいから、先生は指導していたって、今はわかる。だけど、あの時はわからないし、考えたこともなかった。そう考えると、個と集団の指導をどうやって相互にやっていくのかすごい難しいなって思った。

Fさん:先生の集団で指導するって、こういうクラスを目指したいという想いがいろいろあってやるわけ。それが児童の考えとあってなかったら、温度差があると思う。先生がどうして集団で指導するのかを伝えれば、子どもの意識が変わってくるのかな。

司会:時間が来たので、この辺で終わります。おつかれさまでした。

*担任として大切にしたいことや、個と集団を育てる関連性について質問しました。これも非常に難しいことだと考えます。それぞれが、自分の経験や授業内容と関連付けながら話してくれていました。2年生ですので、これから小学校教員になるための専門的な授業が増えていきます。その中で、さらに考えを深め、広めていってほしいと思います。みなさんの活躍を期待しています。