森のようちえん あなたとわたし の保育に参加して
河原ゼミ・3年生は、9月のゼミ合宿でつくば市にある 森のようちえん あなたとわたし の保育に朝から1日参加しました。自身の卒園した幼稚園や実習で行った幼稚園とは異なる貴重な体験ができました。その中での学生の育ちの姿を紹介します。
保育参加を振り返って
森のようちえん あなたとわたし の保育に1日参加して、感じたこと、考えたこと、学んだことなどを語ってもらいました。
<TALK
森のようちえん「あなたとわたし」の第一印象は?
一番驚いたのは“園舎がない”ということでした。
お昼も外で食べ、トイレも手作りの囲いの中でするなど、自然そのものを生活の場にしている姿にまず圧倒されました。

園に着くと、キャンプに来たような感覚で、正直言うと、野外に荷物を置くことや土・虫に対して強い抵抗がありました。
最初に声をかけた男の子は虫取りが大好きで、「手伝って」と言われ、泣く泣くコオロギを虫かごに入れる手伝いをしました。
でも、男の子が笑顔を見せてくれ、その表情を見たいと思えたことで、自然への抵抗感が薄れていきました。


子どもとのかかわりで特に心に残ったことは?
「落とし穴づくり」です。
子どもたちが「落とし穴を作ろう!」と盛り上がっているのを聞いて「付いていってもいい?」と声をかけましたが、初めて会った私たちは警戒されて「だめ!やだ…」と断られてしまいました。
その後、私たちから隠れている子どもたちに気付かないふりをして、逆に私たちが隠れて子どもたちに探しに来てもらったり、「(スタッフを)落としちゃおうよ」と子どもたちに提案して協力したりするうち、だんだん子どもとの距離が縮まっていきました。
スタッフの方に協力してもらって、一緒に穴を掘ったり、落とし穴に仕掛けを作ったりできたときには、子どもたちの仲間に入れてもらえた喜びを感じました。

「あなたとわたし」の保育で気づいたことは?
「あなたとわたし」では、子どものやりたいという気持ちを最大限尊重し、それに必要な知識を伝えたり、行動を見守ったりする姿から、「子どもと大人という関係」ではなく、「人と人の繋がり」を大切にしていると実感しました。
子どもたちがやりたいことを自由にできる環境だからこそ、対等な関わりが自然に育まれ、お互いの信頼関係が作られているのだと思いました。


「あなたとわたし」では、「危ないから」「無駄遣いになる」などと否定せずに挑戦させていて、子どもの興味や主体性を大切にしていると強く感じました。
子どもの嬉しそうな顔を見ると人は元気をもらえ、挑戦することができるのだと知ることができました。

保護者の方にもお話を聞けたようですね?
はい、直接お話しを聞くことができてとても貴重でした。
「ここ(あなたとわたし)に来るとホッとする。」「お互いに向き合い、思いっきりぶつかることができる。」「〇〇ちゃん〇〇くんのママではなくニックネーム(個人名)で呼び合うところも、1人の人として見てもらえいて心地よい」という言葉がとても印象に残っています。
保護者の方から、子どもとの時間を優先できるこの環境を選んだと聞きました。「自分で決めた道だからこそ楽しんで育児ができる」という言葉はとても印象的でした。
保育参加を通して、「スタッフや保護者、そして何より子どもたちと“同じ場所で同じ時間を共有し、共に楽しむこと”が信頼関係を築くうえでとても大切だと実感しました。そして、それは一つの活動を全員で行うという意味ではなく、それぞれが自由に選んだ遊びの中で生まれる偶然の出来事や、共有した感情が信頼関係を深めているのだと感じました」との感想にあるように、学生にとって新たな発見と心揺さぶられる貴重な体験ができました。 「あなたとわたし」の子どもたち、保護者、スタッフの皆さま、ありがとうございました!